Author: Yu Shioji (塩地 優)
Article type: News(ニュース)
Article number: 240028
Six Flagsが、Six Flags Over Georgiaの資産を買収予定
Six Flagsが、Six Flags Over Georgiaの資産を買収予定だと、投資家向け情報(IR)で発表しました[1]。
Six Flagsは、米国の遊園地チェーン。今年、同じく米国の遊園地チェーンであるCedar Fairと合併して、新生Six Flagsとしてスタートしています。経営首脳陣は、旧Cedar Fair側から出ている状況。
Six Flags Over Georgiaは、Over Texas, Over Mid America(現St. Louis)と並ぶ、Six Flagsのオリジナル3パークの1つです。旧Six Flagsは買収によって大きくなった遊園地チェーンですので、創業者が立ち上げた遊園地は上記3つのみ。これらは、1961年Over Texas, 1967年Over Georgia, 1971年Over Mid Americaの順で作られています。
このうち、Over TexasとOver Georgiaは、不動産を含むパーク全体を、融資団とSix Flagsが合弁会社を立ち上げて取得しています。現在は、その会社から借り受ける形で運営していました。リース契約の中に、2027年に全資産をSix Flagsが購入できるオプションがあるため、それを行使予定であると発表しました。
他のパークや今後のパーク運営への影響
購入価格は、当時の価格に消費者物価指数の変化をかけたもの。リースで借りている状況よりは、資産の自由度が高まりますので、オプションを行使しない手はありません。一方で、自由度が高まる分、パーク閉園等の影響も心配されます。
この点については、パークを閉園する予定はない、と広報担当者が2024年11月に述べています[2]。
また、似た状況にあるOver Texasについても、2028年に購入オプションを行使できるため、これも買い取るのではないか、と噂されています[3]。
買い取り額は割安ではあるものの、Over Georgiaのみで500億円弱と、パークのオペレータとしてはかなりの金額になります(大型ローラーコースターが30~50億円)。Over Texasも買い取ると、短期的にかなりの支出になりますので、キャッシュの減少が心配されます。
Cedar Fairとの合併によって、キャッシュ自体は大きく増えているので、その影響は薄まりますが、今後のアトラクション投資には多少なりとも影響を及ぼすと考えられます。資産の買取という比較的保守的な施策と、アトラクション施設により攻める施策とのバランスをどうとっていくのか、今後を追っていく必要があります。
参考文献
[1] “8-K Current report filing”, Six Flags Entertainment Corporation.
https://d18rn0p25nwr6d.cloudfront.net/CIK-0001999001/fd9f4db4-0b90-42b5-a97a-d03b69f07fec.pdf
[2] “Six Flags says it has no plans to close any parks, despite media reports”, Live 5 news.
https://www.live5news.com/2024/11/09/six-flags-says-it-has-no-plans-close-any-parks-despite-media-reports/
[3] Screamscape.
https://www.screamscape.com/html/corporate_park_news.htm#SixFlags
コメント