Author: Yu Shioji (塩地 優) Article type: Commentary (解説) Article number: 230011
20世紀末に様々なキワモノローラーコースターが生み出された後、21世紀に入ると成熟の時代を迎えます。まるで20世紀初頭にキワモノコースターが林立した後、1920年代に黄金時代を迎えた、という歴史の流れを再現しているかのように。
この記事では、ここ20年の技術的進歩がどの様になっているのかを振り返りつつ、上述のような歴史的背景を踏まえると、今後ローラーコースター業界はどうなっていくのか、その未来を占っていきたいと思います。
そんなわけで、今回は参考文献無し、ほぼ筆者の私見のみでお送りしていきます。
21世紀のローラーコースター
まずは21世紀に誕生した技術をサックリと振り返ってみましょう。
リニア加速機構とコースレイアウトの変化
21世紀のローラーコースターといえば、まず思い浮かぶのはリニア加速機構ではないでしょうか。
もともとはスイスのインタミン社が1998年から導入している機構です。日本には後楽園ゆうえんち(現・東京ドームシティ)のリニアゲイルがありました。
この機構が21世紀に入って広く使われるようになりました。高さや速度の世界一を競っていたSix Flags Magic Mountainの「Superman」はもちろんのこと、ユニバーサルスタジオ系「リベンジ・オブ・ザ・マミー」のようなダークライドタイプの屋内コースターや、果ては富士急ハイランド「高飛車」のような急加速エレメントがメインではないコースターまで、もうごく普通に使われるようになってしまいました。
リニア加速機構がバイク型などのライドと組み合わさることで、「高くないけど速い」新たな潮流を生み出しています。「振り回され感」を重視する流れです。
2000年代には、一時、「ふわりと浮くような感覚」、すなわちエアタイムを楽しむことに重点を置いたローラーコースターが多数設置されました。とにかく乗り心地最優先で、大きく揺さぶられることなく、縦方向のGの変化を楽しむライドです。日本では、USJの「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」、東武動物公園の「カワセミ」などが代表的です。
ただ、これでは縦Gの時間変化しか工夫ができないので、どうしても単調になってしまいます。そこで、2000年代後半から、これに横Gを追加する動きが出てきます。従来は横Gというと、カーブでバンク角を浅くするなどの手法が主流でした。ただ、これはライドから放り出されるような動きなので、ライド自体にも負荷がかかりますし、人体にも負荷がかかります。乗客は横Gに耐えようと、カーブ全域で身体に力を入れないといけません。
そこで最近用いられるようになったのが、
- レールを軸にひねる
- 素早くひねる
という手法です。前回の記事で、ローラーコースターはレールを軸にひねるのをやめて、乗客の体を中心にひねるようになって乗り心地が向上した、と書いたのですが、あえてこれを旧来の手法に戻したのです。さらに、素早く(短い距離で)バンク角を付けることで、「振り回され感」を演出しています。ライドごと体がブンっと振り回されるような乗車感です。エアタイムのスリルに加えて、振り回されるスリルを新たに追加しました。これは、ガタガタとした乗り心地だったかつてのローラーコースターがやっていたら、単に「痛い」という評価で終わってしまっていたものです。最新の、滑らかな乗り心地を実現したからこそ、あえて振り回す、ということができるようになったのです。
こうしたエアタイムと振り回しのあるコースを、高速で駆け抜けることが、最近のコースターの1つの潮流です。このため、必ずしも大きなドロップは必要なくて、リニア加速と小さなアップダウンのみで構成されるコースターが増えてきています。日本には、2023年6月現在、まだそうしたコースターがありませんが、7月に富士急ハイランドに導入される「Zokkon」が日本初のこのタイプのコースターになるのではないかと思われます。
多次元化
続いては2002年に登場した4次元コースターをご紹介しておきましょう。現代型ループコースターを世に放ったArrow Dynamics社が、買収されて会社名が消滅する直前に生み出したのが4次元コースター「X」です。座席が縦回転するコースターで、コースに合わせて制御された回転をします。
その後、Intamin社やS&S社(Arrow社を買収した会社で、現在は日本の三精テクノロジーズの子会社)も参入します。こちらはコースに合わせて座席の回転を制御しない、フリースピンタイプ。ただし、S&S社のものはマグネットプレートなどを利用して強制的に回転させています。日本にはナガシマスパーランドの「嵐」があります。
また、走行しているとレールが途切れていて、そのままレールごと落下して別のレールにつながる、というタイプのコースターも出てきています。これも、レールの束縛から逃れるという意味で、第4の次元と呼ばれたりしています。日本にはまだありませんが、上述のリニア加速機構と振り回しを中心とするような、Intamin社のコースターに多く導入されている機構です。
レールの進化
そしてもう1つ、大きなトレンドはレールの変化にあります。
これは主にロッキー・マウンテン・コンストラクションという会社による変革。この会社は、既存の木製コースターの木組みを転用しながら、剛性の高いレールを使って、よりスリリングなコースターとして生まれ変わらせることを得意としている会社です。
この会社が製造しているレールには2種類あります。1つは2011年頃から製造している、IBoxと呼ばれるタイプ。鋼板を四角く曲げてレールにしていて、レールのベース部まで含めてすべて鋼で作られています。もう1つは、2013年から製造しているTopperと呼ばれるタイプ。こちらはやはり鋼板を四角く曲げてレールにしているのですが、中にコンクリートを詰めて補強しています。その代わり、レールのベース部は木材を使用。どちらも、いわゆるハイブリッドコースターですが、後者のほうが見た目は木製に近いです。ちなみに、ナガシマスパーランドの「白鯨」はIBox。
どちらもライドはポリカーボネートで、車輪もラバー巻き。乗り心地等は完全にスチールコースターのそれです。
ではなぜ、わざわざ木組みを使っているのかと言いますと、1つにはもちろん木製に感じるロマンとか、すでに木製コースターがあるからそれを転用したいという理由もあります。ですが、もう1つ忘れてはならないポイントがあります。それは、木製コースターは建設コストが低いということ。一見、多くの木組みを使う木製コースターは高そうに見えますが、実は同じような基本ユニットをいくつも組み合わせているため、比較的建設コストは安く済むのです。一方、スチールコースターは支柱ごとに柱の長さが違ったりして、一点物のパーツを多く作らなければなりません。しかも、鋼製のパーツは1点作るだけでもわざわざ金型を新しく作らなければならかったりして、かなりの費用がかかってしまうのです。ロッキー社のコースターは金属部分も汎用パーツを多用していますので、アメリカで、かつ木組みを転用できる古い木製コースターがあって、全長1,000 m級なら10億円くらいでできちゃいます(スチールなら15~20億かかります)。ただ、白鯨はより大型なのと、レールを日本に輸入するコストもあってか、30億近くかかってしまっています。
ロッキー社は、この剛性が高くて形状自由度も高いレールを活用して、太いレール一本で作るモノレール型コースターも開発しています。このタイプは、レールのひねりがわかりにくくて、動きの先読みがしにくいという特徴があります。この特徴に着目したのか、Intamin社も通常のレールにカバーを付けて、まるで一本のレールに見えるようなコースターを製作しています。
円筒型レールほどの革新的技術ではないかもしれませんが、レール形状はやはり今世紀にもまだ改良の余地が残っていそうです。
ローラーコースターは停滞期に入る!?
このように21世紀に入っても多様化を続けてきたローラーコースターですが、今後は停滞期に入っていくのではないかと思われます。
というのも、2010年代以降は新たなスリルや乗り心地のコースターが生まれていないのです。上述のようにハイブリッドタイプのコースターこそ誕生していますが、これはあくまで作り手側の新しさであって、乗車感には大きな影響を及ぼしていません。スチールコースターならできたことを、木製の構造を使ってもできるようにしただけのことですので。
こうして新たな技術が生まれなくなってきて、コースレイアウト自体も成熟して進化しなくなってしまうと、まもなく冬の時代がやって来ることは歴史が証明しています。20世紀初頭に様々なタイプのロラーコースターが生み出されて、1920年代には王道タイプのコースターのレイアウトが成熟してきます。その後、世界恐慌を契機にローラーコースターは忘れ去られた過去の遺物となってしまいました。
このローラーコースター冬の時代は、約50年間続きました。1950年代のスチールコースターの発明を受けて、1970年代に現代型ループコースターが誕生してようやく、再び多数のローラーコースターが作られる時代がやってきたのです。
世界的に見ますと、今後も中国や新興国ではローラーコースターの建設が続いて、建設や設計の技術が途絶えることはないと思われますが、先進国では大型テーマパークを除けば、新型ローラーコースターを設置するのは難しい時代がやってくるでしょう。
やはり、「日本一」「世界一」「日本初」「世界初」といった言葉がないと、新しいお客さんはやってきてくれません。せめて「地域一」「地域初」といったうたい文句はほしいところです。しかしながら、新たな技術開発が停滞してしまうと、なかなかこうした文句をうたうことができなくなってきます。ローラーコースター自体がマンネリ化してしまって、新しいお客さんを呼べる存在ではなくなってしまうのです。
そうなると、数十億円をかけて投資しても、そのリターンを得ることが難しくなってしまいますので、遊園地としては投資するという判断に踏み切ることができません。こうして新たなコースターが作られないまま、時だけが過ぎてゆく時代がやって来ようとしているのです。あるいはすでに来ているのかもしれません。実際、日本では2大テーマパーク、2大コースターパーク(富士急とナガシマ)、よみうりランド(グッジョバ。これは中規模コースターですが…)くらいしか新規大型コースターの話が出てきませんよね。地域の遊園地がローラーコースターでお客さんを呼べる時代ではなくなってしまっています。
それ以外の遊園地での大型コースターへの新規投資は、2008年東武動物公園の「カワセミ」、2006年スペースワールドの「ザターン」、2003年東京ドームシティの「サンダードルフィン」(これはリニューアル時の設置なので、ローラーコースターのみの投資とはかなり意味合いが異なります)くらいまで遡らなければなりません。1990年代まで次から次へとコースターが新設されていたことを考えますと、やはりすでに時代は変わってしまっているのでしょう。
この状況に陥っているのは、日本だけではありません。
アメリカはユニバーサル、ディズニー、シックスフラッグスだけでなく、シダー・フェア(シダーポイントやナッツベリー・ファーム、キングス系列などを経営)やシーワールド(シーワールド、ブッシュガーデンなどを経営)など、投資余力のあるチェーンが多くありますし、ケニウッドやダリウッドなど単独で頑張っている遊園地もあるので数自体は日本よりだいぶマシなのですが、それでもこうしたローラーコースターが10前後以上ある大型パークしか、大型ローラーコースターを新設できていません。
西欧も例外ではなくて、アルトンタワーやヨーロッパパークなど、限られた大型パークしか大型ローラーコースターを新設できていません。
もちろん、ローラーコースターが大型化・高額化したという背景もあります。が、大型で高額というのは。90年代、00年代も状況に大きな違いはありませんでした。
やはり、最大の問題はマンネリ化であって、複数の大型ローラーコースターを持つパークがそのコレクションに追加してはじめて魅力を発揮できるようになってしまったことでしょう。
新たなブレークスルーが起きて、マンネリ化を解消できない限り、ローラーコースターが再びアミューズメントの主役になる時代はやってこないと思われます。
ローラーコースターはどうすれば復活できるのか
将来、ローラーコースターを再びアミューズメント界の主役へと引き上げるためには、どんな技術を開発すれば良いのでしょうか。私も明確な答えを持っているわけではありませんが、ここで少し考えてみることにしましょう。
十分条件ではありませんが、何らかの技術が開発された際にどうしても必要になってしまうのが、「低価格化」です。
たとえローラーコースターに新たなバリエーションをもたらす技術が開発されたとしても、現在の価格帯ですと、地方の遊園地や小規模な遊園地では投資利益率が低すぎて(あるいは黒字にすらできなくて)投資対象にはならなくなってしまいます。
現在のローラーコースターは、大型のものを作ると10~50億円規模の投資が必要になってしまいます。これが例えば新幹線ですと、複線で2億円/kmくらい。ローラーコースターの場合は全線高架ですから、新幹線並のコストは厳しいかもしれませんが、それでも単線で2億円/kmくらいまで落ちてくれば、他の娯楽に対して十分な価格競争力を得られるはずです。駅舎、車両、その他付帯設備まで含めて5億円くらいでなんとかなれば。平均客単価4,000円で、年間3万人くらい(日当たり1,000人)単純増になれば、8年くらいでペイできると思われます。8年というのは決して良い値ではありませんが……。
そのためには、部品の汎用化・共用化を大幅に進めなければなりません。専用の曲げ加工や型が必要になる部品を徹底的に排除して、曲げ加工をするのはレールのみ、専用の型は基本的に使わない、といった観点から設計をすることで、ある程度はコストを抑制できそうです。ハイブリッドコースターのロッキー社は、これを実践しているわけです。もちろん、汎用パーツだからといってローラーコースター規模のものを輸入していると莫大な金額がかかってしまいますので、国産・現地生産できるとなお良いです。ただ、数が出ないので、世界各地に工場を作るというわけにも行かないのが難しいところです。業界で共通規格化して、互いに融通しあう、といったことができると良いのかもしれません。車台まで共通化して、各社架装とレールでオリジナリティを発揮するようにすれば、メンテナンス部品の価格低下や工数低減も見込めます。
それだけでは圧倒的な価格低下は厳しいので、何らかのブレークスルーも必要でしょう。1つのヒントになっているのは、上記のハイブリッドコースターのような気がします。レール形状は円筒に拘る必要がないことを示してくれましたし、レール自体に剛性をもたせれば、構造材を減らすこともできます。何らかのエンジニアリング的工夫でブレークスルーできそうに思います。曲げ加工の容易さと、剛性を両立するレール構造が実現できれば、大きくコストを低減できます。
ちなみに、ローラーコースターの量産化はNGだと思われます。同じような機種がいくつも出回ってしまうと、わざわざその遊園地に行って乗る意欲が削がれてしまいます。小・中規模コースターならありですが、大型コースターはオリジナル(せめてその国内では)でなければなりません。
価格が下がれば、様々な遊園地がオリジナルの大型コースターを設置できるようになって、それだけでローラーコースター界は活性化する可能性があります。それぞれがオリジナリティのあるコースレイアウトにするだけでも、マンネリ化を避けることができますからね。さらに新興国の遊園地も設置しやすくなりますので、弾数も増えて、大いに盛り上がる可能性もあります。
しかしながら、低価格化だけでは、あくまで現状のローラーコースターの延長に過ぎません。やはり、何らかの新しい技術が必要になってきます。
その技術というのは、1種類のコースターを生み出すためだけのものであってはいけません。それでは1つのキワモノコースターを生み出して終わってしまうのです。
ローラーコースターの自由度を高めることによって、様々なタイプのローラーコースターを生み出し、また、現在のコースターの限界を突破できるようなものでなければなりません。
どういった技術ならこのようなブレークスルーを生み出せるのか考えるために、現在のローラーコースターにどのような制約・限界があるのかを考えてみましょう。
設計上の制約で一番大きいのは、敷地の問題でしょう。どうしても遊園地の敷地は有限ですから、一定の敷地内にコースを収める必要があります。この際、ネックになるのは柱の配置とカーブ曲率の制約です。柱は少なく、かつ1本あたりの専有面積を小さくすることで制約を緩和できます。このためには、レールあるいはレール周辺の剛性と強度を高めていくことが重要になるでしょう。一方のカーブ曲率は、車両の最小回転半径や、人が耐えられる最大荷重によって制約を受けます。車両の最小回転半径は、現在通常使われているタイプのライドであれば、それほど問題になることは無いと思われます。出発直後に180度旋回する場面なんかはかなり小さな曲率ですので。一方、人が耐えられる最大荷重はかなりの問題です。この点は後で議論することにしましょう。
ローラーコースターの高さを制限しているのは、景観条例であったり、最高速度が増すことによる騒音の増加、大型化することによる建設費の増大、各種抵抗に起因する速度的限界など、様々な要因です。このうち、建設費に関しては上述のコスト低減で何とかなるかもしれませんが、その他は如何ともし難いので、高さの制約を取り払うことに解はなさそうです。速度に関してもほぼ同様でしょう。
カーブの曲率は、上述の通りで人が耐えられる最大荷重によって制約を受けています。ループエレメントの動きも、やはり人の肩や腕、お腹には大きな荷重をかけられないという制約から、例えば通常のループと上下が反転して、上部から侵入して最下部でひっくり返るようなループは作ることができません。
乗車姿勢についても、やはり人が耐えられる最大荷重による制約から、ドロップの最下点ではとれる姿勢に制限があります。ドロップの最下部でうつぶせになったり、頭が下を向くような姿勢になることは、よほど曲率の緩いコースレイアウトでない限りは実現できません。
というわけで、ローラーコースターに課せられている一番大きな制約は、人が耐えられる最大荷重なのではないかと思います。これに関しては、解決するためのアプローチは2つあります。
1つは、そもそもかかる最大荷重を減らすこと。ただしこれは、なかなかに至難の業です。カーブでは、車台が通過する曲率よりも、人が通過する曲率を大きくしなければ荷重が減りません。ですが、そうすると車台に対して人の速度が上がってしまって、結局荷重は減るどころか増えてしまいます。反対に、レールに対して人をイン側(カーブの内側)に飛び出させると、車台に対して人の速度は低下しますので、かかる荷重は減ります。つまり、過剰な速度でカーブを通過する際は、車両からシートだけが内側に飛び出すような仕掛けを作ればよいのです。ですが、これではせっかく強烈なカーブでも、人は結局その強烈さを体感できていません。視覚的に「このスピードで突っ込んだらヤバい」という恐怖を味わう程度で終わってしまいます。
もう1つのアプローチは、荷重を分散して人にかけること。人間は、一瞬であれば5G, 6Gといった負荷には耐えられるのです。ですが、それは荷重が背骨に沿ってかかって、骨盤で受け止めることが出来た場合です。例えばカーブでは身体が横方向に振られます。それを受け止めるのは、U字型ハーネスなら首や頭です。逆ループなら肩で受け止めることになってしまいます。例えば体重50 kgの人に5Gがかかると、かかる負荷は250 kg重に相当します。首や頭に250 kgもの荷重がかかったら、骨が折れるか、少なくともむち打ちになってしまいますよね。ですから、ドロップ最下部や正ループの下部、水平ループなどでしか、強烈なGをかけられないのです。このような制約が発生しているのは、ハーネスなどで身体の一部分に負荷をかけてしまうからです。負荷を分散できるようなハーネスを使ってあげれば、6Gは無理でも3G, 4G程度なら耐えられるのではないでしょうか。負荷を分散するハーネスというのはつまり、全身を覆うような柔らかいハーネスです。バケットシートのようなフィット感のあるシートを使って、さらに身体の前面はゴムのような密着するタイプの素材で固定する。使い回すと気持ち悪いので、そこになにか工夫は必要ですが、そうすれば高い負荷にも耐えられるようになります。全身が固定されてしまいますと、爽快感も失われますので、その点もなにか工夫が必要かもしれません。
最近は、特にB&M社製のコースターなどでラバータイプのハーネスが使われることも増えていますが、これが当たる面積をより増やしていくようなイメージです。
この点さえクリアできれば、あとは様々な方向にかかる荷重を複雑に組み合わせたコースレイアウトを構築していけば、無限の可能性が広がります。そうして地方遊園地が、オリジナリティのある大型コースターを導入できる未来がやってくることを、一人のローラーコースター好きとして願ってやみません。
引用方法
引用時は、下記を明記してください。
Yu Shioji, J. Amusement Park (2023) 230011.
利益相反
本稿に関わる利益相反はありません。
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